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地域おこし協力隊の給料はいくら?総務省データで見る待遇の実態と都道府県別定住率
移住と仕事

地域おこし協力隊の給料はいくら?総務省データで見る待遇の実態と都道府県別定住率

地域おこし協力隊の「給料」にあたる報償費等の制度上の上限を総務省の公表資料から整理し、直近5年間(令和2〜6年度)に任期終了した隊員8,762人の定住状況を都道府県別に独自集計しました。定住率は都道府県により55%台から80%近くまで差があります。

対象読者: 地域おこし協力隊への応募を検討していて、給料・待遇の実態と任期後にどれくらいの人が地域に定住できているかを事前に把握したい人

最終確認日: 2026年7月20日

地域おこし協力隊の給料はいくらですか?

地域おこし協力隊の「給料」にあたる報償費等は、総務省の特別交付税措置で隊員1人あたり年間上限350万円(令和7年度措置。令和6年度の320万円から引き上げ)です。これとは別に、住居や活動用の経費に充てる「その他活動経費」が上限200万円あり、両方を合わせた上限は550万円/人となります。ただしこれは国が自治体を財政支援する際の上限額で、実際に隊員へ支給される金額・内訳は自治体・年度ごとに異なります。

総務省が示す報償費・活動費の上限額

地域おこし協力隊員は多くの場合、自治体が委嘱する非常勤の特別職や会計年度任用職員などの立場で活動します。給与そのものを一律に定める全国共通の法律はなく、総務省が示しているのは「自治体がこの上限額までは特別交付税措置(国からの財政支援)を受けられる」という基準です。

総務省地域力創造グループ「地域力創造グループの令和7年度新規・拡充施策について」(令和7年6月)および「地域おこし協力隊推進要綱」(令和8年3月5日一部改正)によると、令和7年度以降の地方財政措置は次のとおりです。令和6年度は報償費等320万円・合計520万円でしたが(総務省「令和6年度 地域力創造グループの新規・拡充施策等」〔令和6年5月〕)、令和7年度に引き上げられました。

費目上限額(令和7年度・1人あたり)用途の例(推進要綱の例示より)
報償費等350万円給与相当分(期末手当等の各種手当を含む)
その他活動経費200万円住居・活動用車両の借上費、活動旅費、作業道具・消耗品費など
合計550万円—

月額に単純換算すると報償費等は約29.2万円が上限の目安になりますが、これは国の財政措置の枠であって手取り額ではなく、自治体が上限いっぱいまで支給するとも限りません。募集要項に記載される金額は自治体・年度によって差があるため、応募検討時は必ず個別の募集要項で確認してください。なお、推進要綱では高度専門人材等について報償費等の上限額が異なる特例も定められています。隊員数は、令和5年度に7,200人(受入自治体1,164団体)、令和6年度には過去最高の7,910人となり、総務省は令和8年度までに10,000人という目標を掲げています(出典: 「令和6年度 地域力創造グループの新規・拡充施策等」および「地域力創造グループの令和7年度新規・拡充施策について」)。

都道府県別に見る定住率——広島・北海道が上位、秋田・宮崎は5割台

地域おこし協力隊の「実態」として応募者が気になるのは、給料水準だけでなく、任期後にその地域へ定住できているかどうかです。総務省地域力創造グループ地域自立応援課「令和7年度 地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果」(令和8年4月24日公表、調査時点:令和7年5月1日)によると、令和2年4月1日〜令和7年3月31日の直近5年間に任期終了した隊員8,762人のうち、およそ70.3%(6,163人)が同じ地域に定住しています。内訳は、活動地と同一市町村内への定住が5,038人(57.5%)、近隣市町村内への定住が1,125人(12.8%)で、他の地域へ転出した隊員は2,013人(23.0%)でした。

この調査には都道府県別の任期終了者数と定住者数も掲載されています。当サイトで全47都道府県のデータを独自に定住率順に並べ替えたところ、上位・下位の顔ぶれは次のようになりました(任期終了者数が少ない都道府県はサンプルが小さく数値が振れやすいため、下表では任期終了者数30人以上に絞っています。この条件で神奈川県〔3人〕・大阪府〔5人〕・愛知県〔25人〕の3府県が対象外になります)。

定住率が高い上位10道県

順位都道府県任期終了者数(直近5年)定住者数定住率
1広島県108人86人79.6%
2北海道1,225人959人78.3%
3長野県656人512人78.0%
4静岡県125人96人76.8%
5兵庫県198人150人75.8%
6栃木県123人93人75.6%
7山口県125人94人75.2%
8山梨県172人129人75.0%
9青森県105人78人74.3%
9富山県70人52人74.3%

定住率が低い下位10都道県

順位都道府県任期終了者数(直近5年)定住者数定住率
1宮崎県223人124人55.6%
2秋田県179人100人55.9%
3島根県388人234人60.3%
4長崎県115人70人60.9%
5沖縄県98人60人61.2%
6東京都31人19人61.3%
6三重県142人87人61.3%
8石川県89人56人62.9%
9岩手県296人188人63.5%
10山形県198人128人64.6%

(全国平均は70.3%。参考値として、表から除外した3府県は、神奈川県が3人中3人定住=100.0%、大阪府が5人中3人定住=60.0%、愛知県が25人中16人定住=64.0%でした)

定住率の差が何に由来するかを断定できる統計はありませんが、島根県・秋田県のように任期終了者数自体が多い(=制度の受け入れ規模が大きい)道県でも定住率にはばらつきがあり、「隊員数が多い=定住しやすい」とは単純には言えないことが分かります。全都道府県の詳細な数値は出典に記載した総務省の公表資料で確認できます。

任期終了後、隊員はどんな「なりわい」に就いているか

同調査では、直近5年間に任期終了し、活動地と同一市町村内に定住した隊員5,038人について、定住後の仕事の内訳も公表されています。

なりわい人数割合
起業2,296人45.6%
就業1,753人34.8%
就農・就林583人11.6%
事業承継70人1.4%
その他181人3.6%
不明155人3.1%

「就業」の内訳では、行政関係(自治体職員・議員・集落支援員等)が480名と最も多く、次いで観光業176名、農林漁業138名、地域づくり・まちづくり支援業99名、教育業78名、医療・福祉業72名と続きます。「就農・就林」では農業が477名で大半を占め、林業54名、畜産業20名、漁業・水産業12名です。「起業」では飲食サービス業(古民家カフェ・農家レストラン等)が308名で最多、美術家・デザイナー・写真家等が217名、宿泊業(ゲストハウス・農家民泊等)が181名、小売業174名、観光業130名と続き、活動地での経験や人脈を生かした個人事業が中心になっていることがうかがえます。事業承継は70名で、伝統工芸や民宿、飲食業などの承継が例に挙がっています。

応募前に確認しておきたいポイント

  • 募集要項の金額を必ず確認する:総務省の上限額(令和7年度で報償費等350万円・その他活動経費200万円)はあくまで国の財政支援の上限であり、自治体ごとの実際の支給額・住居補助の有無・公用車貸与の有無は募集要項でしか分かりません
  • 雇用形態を確認する:非常勤の特別職か、会計年度任用職員かなど、自治体によって扱いが異なり、社会保険や副業の可否にも影響します
  • 定住率だけで自治体を判断しない:上表のとおり定住率には自治体差がありますが、任期終了者数が少ない自治体は数値が振れやすく、受け入れ実績が長い自治体ほどサンプルが安定する傾向があります
  • 任期後の支援策を確認する:起業支援研修、事業承継のマッチング支援、空き家改修費補助など、任期後の定住を後押しする制度の有無を自治体に確認しておくと、定住後の見通しを立てやすくなります

よくある質問

Q. 地域おこし協力隊の給料は誰が決めていますか?

各自治体が予算・条例に基づいて決定します。総務省が示す上限額(令和7年度で報償費等350万円/人)は、自治体がその費用について国の特別交付税措置を受けられる上限であり、隊員に必ずその金額が支払われることを保証するものではありません。実際の金額は自治体・年度により異なるため、募集要項での確認が必須です。

Q. 給料以外にもらえるお金はありますか?

総務省の財政措置では、報償費等とは別に「その他活動経費」(令和7年度で上限200万円/人)が設けられており、住居や活動用車両の借上費、活動旅費、作業道具・消耗品費などに充てられる枠として自治体に交付されます。ただし何にいくら使うかは自治体の運用次第であり、家賃補助や公用車貸与の有無・金額は自治体ごとに異なります。

Q. 任期後に定住できる確率はどのくらいですか?

総務省の令和7年度調査では、令和2〜6年度に任期終了した隊員8,762人のうち70.3%(6,163人)が同じ地域に定住しています。ただし都道府県別に見ると55%台から80%近くまで差があり、任期終了者数が少ない都道府県ほど数値が振れやすい点には注意が必要です。

Q. 地域おこし協力隊とアルバイトの掛け持ち(副業)はできますか?

副業の可否や条件は自治体・活動内容によって異なり、全国一律のルールはありません。応募前に募集要項を確認するか、自治体の担当窓口に直接問い合わせて確認するのが確実です。

まとめ

地域おこし協力隊の「給料」は、総務省が示す上限額(令和7年度で報償費等350万円・その他活動経費200万円、合計550万円/人)を基準に自治体が個別に決めており、金額も住居支援などの待遇も自治体差があります。応募前には募集要項で具体的な金額を確認するとともに、総務省の定住状況調査が示す都道府県別の定住率も、自治体選びの参考情報のひとつとして活用できます。

出典

いずれもURL確認日: 2026年7月20日。

  • 総務省地域力創造グループ地域自立応援課「令和7年度 地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果」(令和8年4月24日公表・調査時点:令和7年5月1日) https://www.soumu.go.jp/chiikiokoshitai/pdf/001003056.pdf
  • 総務省地域力創造グループ「令和6年度 地域力創造グループの新規・拡充施策等」(令和6年5月) https://www.soumu.go.jp/main_content/000959445.pdf
  • 総務省地域力創造グループ「地域力創造グループの令和7年度新規・拡充施策について」(令和7年6月) https://www.soumu.go.jp/main_content/001022439.pdf
  • 総務省「地域おこし協力隊推進要綱」(平成21年3月31日制定・令和8年3月5日最終改正) https://www.soumu.go.jp/chiikiokoshitai/pdf/000998435.pdf

※本記事の金額・人数はいずれも上記資料公表時点のものです。報償費等の上限額は年度ごとに見直される場合があり、実際の支給額・待遇は自治体・年度により異なります。最新情報は総務省および応募先自治体の公式発表をご確認ください。

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