北海道の移住支援金・補助金はいくらもらえるか
北海道の「UIJターン新規就業支援事業(移住支援金)」では、東京圏からの移住で就業等の要件を満たすと、単身最大60万円・世帯最大100万円が支給されます。18歳未満の子どもを帯同する場合の加算(1人につき最大100万円)は市町村ごとに実施の有無と金額が異なります。別枠の住宅取得補助を設ける市町村もありますが、移住支援金と併用できるとは限りません。
北海道の移住支援金(UIJターン新規就業支援事業)の仕組み
北海道の移住支援金は、道と道内の対象市町村が共同で実施する制度です。どの市町村に移住しても受け取れるわけではなく、実施している市町村へ転入した場合のみ対象になります。
支給額の枠組みは次のとおりです(令和8年度。世帯額・子ども加算は北海道庁の特設ページ、単身額は函館市・旭川市の公式ページで確認)。
| 世帯区分 | 支給額 |
|---|---|
| 単身 | 最大60万円 |
| 世帯(2人以上) | 最大100万円 |
| 18歳未満の帯同 | 1人につき最大100万円を加算(実施の有無・金額は市町村の判断) |
対象になるための主な要件は、おおむね次の組み合わせです。移住元は住民票を移す直前10年間のうち通算5年以上、かつ直前に連続して1年以上、東京23区に在住していたか、東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川のうち条件不利地域を除く)に在住して東京23区へ通勤していたこと。移住先は道内の対象市町村へ転入し、5年以上継続して居住する意思があること。仕事等は北海道のマッチングサイト掲載求人への就業(週20時間以上の無期雇用)、テレワークによる業務継続、起業支援金の交付決定、関係人口要件のいずれかを満たすことです。期間の数え方や関係人口要件は市町村の要綱で確認してください。
申請は転入後1年以内が原則で、令和8年度の市町村への申請締切は令和9年1月20日とされています。年度ごとに制度内容は見直されるため、最新の要綱は道と移住先市町村の公式ページでご確認ください。
市町村でこんなに違う:実例比較
同じ「移住支援金」でも、子ども加算の金額や受付状況は市町村ごとに差があります。また、移住支援金とは別枠の住宅補助を独自に設けている町もあります。公式サイトで確認できた実例を比較します。
| 市町村 | 制度・内容 | 特徴 | 出典(確認日: 2026年8月20日) |
|---|---|---|---|
| 函館市 | 移住支援金: 単身60万円・世帯100万円 | 18歳未満1人につき100万円を加算。テレワーク・関係人口の類型あり | 函館市公式 |
| 旭川市 | 移住支援金: 単身60万円・世帯100万円 | 18歳未満加算は1人につき30万円。令和8年4月以降転入のテレワークタイプは単身30万円・世帯50万円。令和8年度は予算上限に達し受付終了(予備登録は受付中) | 旭川市公式 |
| 沼田町 | 住んで快適住まいる応援奨励金 | 住宅の新築・中古取得・改修が対象。各奨励金の合算上限570万円という独自の住宅支援 | 沼田町公式 |
この比較から読み取れるポイントは2つあります。予算枠で年度途中に締め切られる市町村があること(旭川市は令和8年度、予算上限に達し受付終了)と、沼田町の住宅取得奨励金のように移住支援金とは別建ての独自制度を持つ町があることです。ただし、沼田町の公式ページは住宅奨励金自体の合算上限570万円を示すもので、UIJターン移住支援金との併用可否や同一経費への重複補助までは確認できません。両制度を利用する場合は金額を単純合算せず、町の窓口へ確認してください。
就業要件・テレワーク類型・返還条件の注意点
最も一般的な「就業タイプ」は、北海道のマッチングサイトに掲載された対象求人に応募し、週20時間以上の無期雇用契約で就業することが条件です。同じ転職でも、掲載外の求人や親族が経営する企業への就業は対象外となる場合があります(旭川市の要件で確認)。応募前に、その求人が対象かを確認するのが安全です。
東京圏の仕事を続けたまま移住する「テレワークタイプ」は、自己の意思による移住で、移住後も所属先の業務を遠隔で継続することが要件です。ただし旭川市のように、テレワークタイプの支給額を就業タイプより低く設定する市町村もあり、類型別金額は移住先候補ごとに個別確認が必要です。
独自集計:6市町村の子ども加算・返還条件を照合する
移住支援金の「子ども加算」と「返還条件」は、道の共通枠組みに加えて市町村の要綱で具体化されます。函館市・旭川市・苫小牧市・釧路市・北見市・帯広市の公式ページを直接照合し、子ども加算の金額と、個別ページに返還区分の記載があるかを集計しました(確認日: 2026年8月20日)。
| 市町村 | 子ども加算(18歳未満1人あたり) | 返還区分(起点:移住支援金申請日) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 函館市 | 100万円 | 3年未満の転出: 全額/3〜5年以内の転出: 半額/1年以内の離職: 全額 | 函館市公式 |
| 旭川市 | 30万円 | 同上 | 旭川市公式 |
| 苫小牧市 | 30万円 | 同上 | 苫小牧市公式 |
| 釧路市 | 30万円(令和4年4月1日以降の転入分) | 同上 | 釧路市公式 |
| 北見市 | 100万円 | 個別ページに記載なし | 北見市公式 |
| 帯広市 | 30万円 | 個別ページに記載なし | 帯広市公式 |
函館市・旭川市・苫小牧市・釧路市の4市は「3年未満の転出は全額返還、3〜5年以内は半額返還、1年以内の離職は全額返還」という道の標準的な区分と同じ内容を個別ページに明記しており、起点はいずれも申請日です。北見市・帯広市の個別ページには具体的な返還区分が見当たりませんが、北海道の共通ページには標準的な返還条件が示されています。市町村要綱の例外も含め、申請前に窓口で確認してください。子ども加算は函館市・北見市が100万円、旭川市・苫小牧市・釧路市・帯広市が30万円です。
よくある質問
Q1. どの市町村でも移住支援金はもらえますか?
対象市町村制のため、実施していない市町村へ転入した場合は対象外です。対象かどうかは北海道庁の特設ページの一覧と各市町村の公式サイトで確認してください。実施状況は年度により変わります。
Q2. 子ども加算はどの市町村でも同じ額ですか?
いいえ。今回照合した6市町村では函館市・北見市が1人100万円、旭川市・苫小牧市・釧路市・帯広市が1人30万円でした。子ども2人なら加算だけで140万円の差になり得ます。金額は年度により見直されるため最新情報を確認してください。
Q3. 返還が必要になるのはどんな場合ですか?
函館市・旭川市・苫小牧市・釧路市が明記する区分は共通で、申請日から3年未満の転出は全額、3〜5年以内は半額、1年以内の離職は全額返還です。虚偽申請等の場合の全額返還は函館市・釧路市が明記しています。北見市・帯広市は返還区分の記載が見当たらず、記載がないことが返還義務なしを意味するわけではありません。詳細は移住先市町村の窓口・要綱で確認してください。
Q4. 申請期限はいつまでですか?
道全体では転入後1年以内が原則で、令和8年度の市町村への申請締切は令和9年1月20日です。市町村独自のルールが加わる場合もあり、釧路市は就業または転入後3か月以上かつ転入後1年以内に本申請、予備登録は就業または転入後1か月以内という別の期限があります。旭川市のように年度途中で予算上限に達し受付を終了する例もあるため、道の締切と市町村の期限を個別に確認してください。
Q5. 移住支援金は確定申告が必要ですか?
国税庁の文書回答事例では、移住支援金は所得税法上の「一時所得」に該当するとされています。一時所得の金額は「総収入金額-収入を得るために直接要した金額-特別控除(最高50万円)」で計算し、その2分の1に相当する額を給与所得などと合計して総所得金額を求めます。他に一時所得がなく、支給額が50万円以下なら、一時所得の金額は0円となる計算です。ただし、他の一時所得、その他の所得や控除により申告要否は変わるため、個別判断は税務署・税理士にご確認ください。
次に確認すること
- 移住先候補の市町村が移住支援金を実施しているか、子ども加算の有無・金額
- 就業予定の仕事が対象求人・テレワーク等の類型に当てはまるか
- 返還区分(起点・年数)と、市町村独自の申請期限・予備登録の要否
- 支給額が一時所得の特別控除(50万円)を超える場合の確定申告の要否
制度の細部は毎年度見直されます。申請前に必ず各市町村の窓口と公式情報でご確認ください。
出典
いずれも公式サイト。確認日は2026年8月20日です。
- 北海道庁「移住支援金特設ページ(UIJターン新規就業支援事業)」(令和8年4月1日版)
- 北海道庁「北海道移住定住ポータル・移住相談窓口」
- 函館市「函館市移住支援金(UIJターン新規就業支援事業)」(2026年4月8日更新)
- 旭川市「移住支援金」(2026年6月16日更新)
- 沼田町「沼田町住んで快適住まいる応援奨励金」(2025年6月23日更新。最新年度の内容は町へ要確認)
- 苫小牧市「東京圏から移住・就業される方に移住支援金を支給します(UIJターン新規就業支援事業)」
- 釧路市「≪就職を検討中の方へ≫UIJターン新規就業支援事業(移住支援金)」
- 北見市「UIJターン新規就業支援事業(移住支援金)」
- 帯広市「帯広市移住支援金(UIJターン新規就業支援事業)」
- 国税庁「地方創生起業支援事業及び地方創生移住支援事業に基づき支給される各支援金の課税関係について」
- 国税庁 文書回答事例・別紙(移住支援金が一時所得に該当する旨を確認)
- 国税庁タックスアンサー No.1490「一時所得」(特別控除50万円の仕組みを確認)
制度の内容は毎年度見直されます。申請前に必ず移住先自治体の窓口・公式サイトでご確認ください。
