結論:国の上限は共通、実際の支給額は自治体ごとに異なる
国の枠組みで示されるのは、原則として単身60万円以内・世帯100万円以内、子ども1人につき最大100万円加算という制度上の上限です。国が全国一律にその額を支給するわけではなく、実施の有無、実際の支給額、子ども加算は都道府県・市町村が定めます。当サイトの制度データベースからは、44道府県の移住支援金49制度を抽出でき、うち33道府県で「1人あたり最大100万円」の記載を確認しました。
独自集計①:18歳未満の子ども加算はいくらか(44道府県の分布)
当サイトの制度データベース(一次情報=各都道府県公式サイトを個別に確認して収録)から、カテゴリ「移住支援金」の49制度を抽出し、同一道府県の複数制度を整理したうえで44道府県単位の子ども加算の記載水準を集計しました(集計・再確認日:2026年8月20日)。
| 子ども加算の水準(都道府県制度の記載ベース) | 道府県数 | 該当する道府県 |
|---|---|---|
| 1人あたり最大100万円を明記 | 33 | 北海道、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、埼玉、千葉、新潟、富山、石川、福井、静岡、愛知、三重、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、岡山、広島、山口、徳島、香川、福岡、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄 |
| 100万円未満の上限を明記 | 1 | 滋賀(1人につき最大50万円) |
| 下限のみを明記 | 1 | 群馬(1人につき30万円以上。実額は市町村ごと) |
| 加算あり・金額は市町村による | 6 | 青森、秋田、長野、岐阜、高知、大分 |
| 県制度の案内に加算の記載を確認できず | 3 | 山梨、島根、愛媛 |
- 出典:当サイト制度データベース(2026年8月20日集計)。比較対象として抽出した「移住支援金」カテゴリは44道府県49制度です。
- 東京・神奈川・大阪の3都府県は、2026年8月20日時点の公式情報収集で、他の44道府県と同じ基準で比較できる都府県単位の現行制度を確認・収録できなかったため集計対象外です。国の事業も実施市町村単位で対象が決まるため、「3都府県内に支援制度が存在しない」という意味ではありません。市区町村独自の制度もこの集計には含みません。
- 「最大100万円」の県でも、実際の加算額は移住先の市町村が定めます。例えば愛知・鹿児島は市町村により30万〜100万円、兵庫は転入日により30万円または100万円、熊本は宇城市のみ30万円、香川は一部市町が30万円です。
- 「記載を確認できず」は加算がないことの確定情報ではありません。移住先の市町村窓口でご確認ください。
「子ども加算が最大100万円」という記載は、今回集計の33道府県(33÷44=75%)で確認できました。ただし100万円は国の加算上限であり、実際に100万円が支給されるかは移住先市町村の要綱で決まります。
独自集計②:基本額に上乗せ・独自枠がある自治体
同じデータベースから、国の標準枠(単身60万円以内・世帯100万円以内)を超える金額や、対象を独自に広げている制度を抽出しました(集計・再確認日:2026年8月20日)。
| 都道府県・制度名 | 上乗せ・独自枠の内容 |
|---|---|
| 福島県(12市町村移住支援金) | 世帯200万円・単身120万円と基本額が標準の約2倍。子ども1人あたり100万円加算、医療・介護・福祉の資格者は1人あたり120万円加算。対象は田村市・南相馬市など12市町村 |
| 埼玉県 | 子ども加算は1人につき30万〜100万円で、加算は最大200万円。対象は秩父市・飯能市など県内15市町村に限定 |
| 福井県(全国型) | 東京圏以外からの移住も対象。支給額は実施15市町ごとに異なり(単身5万〜40万円程度、世帯5万〜150万円程度)、永平寺町は単身者以外の世帯で支給額50万円(最大150万円)、このほか子育て加算1世帯あたり30万円 |
| 佐賀県(未来につなぐさが移住支援事業) | 全国からの移住が対象の県独自制度。子育て世帯や重点分野の人材に単身60万円・世帯100万円 |
| 山口県 | 東京圏に加え、愛知・京都・大阪・兵庫・広島・福岡からの移住も対象(世帯50万円・単身30万円、子ども1人につき50万円加算) |
| 徳島県(わくわく移住支援事業プラス) | 大阪圏(大阪・京都・兵庫)からの移住に世帯50万円・単身30万円+就職応援金30万円 |
| 宮崎県 | 対象地域が東京圏に加えて名古屋圏・大阪圏・福岡県まで広い |
| 大分県(移住応援給付金) | 移住支援金の要件を満たさない県外からの移住者に基本20万円+子育て・若年者の各加算(令和8年4月からは職種加算10万円/世帯も追加) |
金額の大きさでは福島県12市町村が突出していますが、対象地域が限定された制度です。一方、福井・佐賀・山口・徳島・宮崎・大分は「東京圏以外からの移住でも対象になり得る」という意味での手厚さで、東京23区の在住・通勤歴がない人には実質的な選択肢になります。
移住支援金の仕組み:金額を決めているのは国の枠組み
移住支援金は、国の「地方創生移住支援事業」に基づき、都道府県と市町村が共同で実施する制度です。原則として基本額(単身60万円以内・世帯100万円以内)と子ども加算(18歳未満1人につき最大100万円)は国の標準枠が示す上限で、この範囲内で支給額と対象を定めるのは自治体です。一方、福島県12市町村移住支援金などの独自制度は、標準枠とは別の設計でより高い額を定めることがあります。
対象になるには、一般に次の要件を組み合わせで満たす必要があります。
- 移住元:住民票を移す直前10年間のうち通算5年以上、かつ直前に連続して1年以上、東京23区に在住していたか、東京圏の条件不利地域以外に在住して23区へ通勤していた
- 移住先:実施自治体へ転入し、5年以上継続して居住する意思がある
- 仕事:都道府県のマッチングサイト掲載求人への就業(週20時間以上の無期雇用が典型)、テレワークでの業務継続、起業支援金の交付決定など
「手厚い自治体を選ぶ」前に、まず自分がこの入口要件を満たすかの確認が先です。要件を満たさない場合は、前述の福井(全国型)・佐賀・大分のような独自制度が候補になります。
注意点:返還要件・就業要件・年度変動
- 返還要件:申請から短期間で転出すると返還を求められます。5年以上の継続居住が前提で、例えば3年未満の転出で全額、3年以上5年以内で半額返還といった規定が一般的です(具体的な区分は自治体により異なります)。
- 就業要件の細部:同じ転職でも「マッチングサイト掲載の対象求人」でなければ対象外になります。親族経営企業への就職を対象外とする例もあります。応募前に対象求人かどうかの確認が安全です。
- 申請期限と予算枠:転入後1年以内など申請期限があり、年度予算が上限に達すると受付が締め切られることがあります。
- 年度で変わる:金額・要件・実施の有無は毎年度見直されます。本記事の集計は2026年8月20日時点の当サイトデータベースに基づくもので、最新の条件は必ず自治体の公式情報でご確認ください。
よくある質問
Q1. 移住支援金は誰でももらえますか? いいえ。国の標準枠では、移住直前10年間のうち通算5年以上、かつ直前に連続して1年以上の東京23区在住・通勤歴と、移住先での就業・テレワーク・関係人口・起業等のいずれかの要件を満たす必要があります。要件は自治体・年度により異なります。東京圏以外からの移住を対象にする独自制度(福井・佐賀・大分など)もあります。
Q2. 一番手厚い自治体はどこですか? 当サイトの集計では、基本額の大きさでは福島県12市町村(世帯200万円・単身120万円)が突出しています。ただし対象地域・要件が限定されており、「自分が要件を満たす制度の中でどこが手厚いか」は移住元や家族構成によって変わります。金額だけでなく要件との適合を先に確認してください。
Q3. 返還条件はありますか? あります。自治体要綱では、移住支援金の申請後5年以内の転出、虚偽申請、対象就業からの早期離職などを返還対象とする例があります。返還額が全額か半額か、退職が返還対象になるかは移住先市町村が個別に定めます。当サイトの制度データベースで返還条件を確認できた例は次のとおりです(2026年8月20日再確認)。
| 制度名 | 公式ページに記載された返還条件 |
|---|---|
| 北海道「UIJターン新規就業支援事業」 | 申請日から3年未満の転出は全額、3年以上5年以内の転出は半額の返還。申請日から1年以内に要件を満たす職を辞した場合も全額返還 |
| 滋賀県「移住就業支援事業」 | 申請日から5年以内の転出、または申請日から1年以内の退職が返還要件となる |
| 長崎県「移住支援金(地方創生移住支援事業)」 | 申請日から5年以内に転出した場合等は返還義務がある |
この3制度以外に返還条件がないという意味ではなく、公式ページの記載粒度の差によるものです。返還条件の詳細(全額か半額か、猶予期間の有無など)は自治体ごとに異なるため、申請前に移住先市町村の窓口で必ずご確認ください。
Q4. 2026年度以降も実施されますか? 移住支援金は年度ごとの予算事業のため、翌年度の実施・金額・要件は確定情報ではありません。実施予定でも年度途中で予算上限に達して締め切られる場合があります。申請を検討する時点で、必ず自治体の最新の公式情報をご確認ください。
Q5. 移住支援金は確定申告が必要ですか? 移住支援金は、国税庁の文書回答事例において、所得税法上の「一時所得」に該当するとされています。一時所得の金額は「総収入金額-収入を得るために直接要した金額-特別控除(最高50万円)」で計算し、その2分の1に相当する額を給与所得などと合計して総所得金額を求めます。他に一時所得がなく、支給額が50万円以下なら、一時所得の金額は0円となる計算です。ただし、他の一時所得、その他の所得や控除によって確定申告の要否は変わるため、個別判断は税務署または税理士にご確認ください。
出典・確認日
本記事は当サイトの制度データベースから、比較対象として抽出した「移住支援金」カテゴリの44道府県・49制度を集計したものです。集計日・URL再確認日は2026年8月20日です。URLの到達確認は、制度の継続、実施自治体、金額・要件がすべて現年度と一致することまで保証するものではありません。収録件数は継続的な追加・見直しにより増減します。
- 当サイト制度データベース(各制度の一次情報URLは各都道府県ページに掲載)
- 北海道「UIJターン新規就業支援事業(移住支援金)」 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/jzi/ui-turn/H31wakuwaku-iju-page.html
- 滋賀県「滋賀県移住就業支援事業(移住支援金)」 https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/shigoto/304820.html
- 長崎県「長崎県移住支援金(地方創生移住支援事業)」 https://www.pref.nagasaki.jp/doc/page-391575.html
- 福島県「福島県12市町村移住支援金」 https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11050a/fuku12-ijushienkin.html
- 埼玉県「移住支援金」 https://sumunara-saitama.pref.saitama.lg.jp/immigration/immigration-aid/
- 福井県「移住支援金(全国型)」 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/wakatei/uiturn/ijyushienkinzenkoku.html
- 佐賀県「未来につなぐさが移住支援事業」 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003112772/index.html
- 国税庁「地方創生起業支援事業及び地方創生移住支援事業に基づき支給される各支援金の課税関係について」(国の事業枠組みの記載あり) https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/shotoku/h31/004/index.htm
- 国税庁 文書回答事例・別紙(移住支援金が一時所得に該当する旨を確認) https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/shotoku/h31/004/besshi.htm
- 国税庁タックスアンサー No.1490「一時所得」(特別控除50万円の仕組みを確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm
- 公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構「ニッポン移住・交流ナビ(JOIN)」 https://www.iju-join.jp/
制度の内容は毎年度見直されます。申請前に必ず移住先自治体の窓口・公式サイトでご確認ください。
